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網籠の上のカメムシ
カメムシも好みを変えるみたいです。植物食のエサキモンキツノカメムシはミズキにつくことが多いカメムシですがミズキならどの木にもいるというわけではなく特定のミズキにしかいないものでその理由を知らないぼくが想像するにひょっとしてミズキもリンゴやナシのように木によって味がちがうのかもしれず、つまりエサキモンキツノカメムシはおいしいミズキを選んで集まっているのではないのかなという気がします。
そんなエサキモンキツノカメムシが去年までたくさん見かけたミズキに今年は一匹もいなくてまるで計画的に移住したかのように別の木に集まっていました。それが別のミズキではなくてすぐ横の樫の木だったので頭が混乱しました。樫の葉の上でいくつものカップルが交尾し何匹ものメスが卵と幼虫を守っています。この夏はあんまり暑くてミズキの樹液まで不味くなったんでしょうか。これ意外になかなかいけるよ、すくなくともあの不味くなってしまったミズキよりよっぽど美味い、それに隣は引っ越ししやすいし、と居直って横の樫の木で子育てすることにしたのかもしれません。とすれば気候変動難民ならぬ気候変動難虫です。ようそんなむちゃくちゃな想像ができるもんだと思うかもしれませんが案外それが真実・・・ということがないとも限りません。ぼくは昆虫もぼくらと同じように考えるし感情も持っていると思っています。それに近ごろはこんなことでも言って気を紛らわせていたくなるような世の中です。
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| エサキモンキツノカメムシ 8月22日 | ヒメツノカメムシ 10月12日 | ウズラカメムシ 7月10日 |
それはともかく10月はカメムシがそろそろ冬越しの準備をはじめるころですが、先日の晴天に恵まれた連休初日のことです。そうです、栗で空くじを引いてアケビで取り返したあの連休初日の土曜日です。意気揚々とウォーキングから戻って来るとテラス屋根の下にヒメツノカメムシがいました。ぼくにとっては新種つまり新顔のカメムシでした。テラス屋根の下に吊るした女房が魚を乾すのに時々使っている網籠の上に割と大きな一匹のカメムシが日向ぼっこでもするようにちょこんと乗っていたのです。さっそく図鑑と見比べてヒメツノカメムシに特定したのですが、使ったのは野外観察用のポケット図鑑だから特定はあやしいと言えばあやしい。ぼくがいろんな角度からあまりじろじろ見ていたせいでしょう、うるさいおやじやな、と思ったのか、カメムシはいきなり南東の空に向けてブーンという羽音も軽快に飛んで行ってしまいました。
こうして今年見つけた新顔カメムシは合計三種になりました。すなわちきのうまでは5月に見つけたヨコズナサシガメと7月に見つけたウズラカメムの二種だけだったのが10月になって自分の家でもう一種見つけるなんて世の中思いもよらないことが起きるものです。しかしあのヒメツノカメムシにしてもそれは別の意味で同じだったかもしれず、この家は住人がみんなボーとしていて追い出される心配はないから冬越しに良さそうだとずっと前から目を付けていたのにまさかおやじがこんな失礼なことをするなんて、まったく世の中思いもよらないことが起きるもんだ、いやここでは冬越しはできない、とがっかりして飛び立ったのならカメムシファンとしては申し訳ないことをしてしまいました。
この回で今年のカメムシに関する記事は終わりになりそうです。それにしても今日18日は気温が27度まで上がって10月中旬とは思えない暑い日でした。それなのにぼくは朝からクシャミをすれば必ず5連発でその度にくさめくさめを唱え鼻水は止まらず鼻をかんだティッシュはゴミ箱から溢れそのうち頭も痛くなって女房からは早く風邪薬を飲んだらと責められて、まったく思いもよらない散々な一日でした。夜になってちょっと楽になったのでこれを書いています。(くさめくさめは徒然草第47段を参照) 2026年10月18日 虎本伸一(メキラ・シンエモン)
写真:虎本伸一
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